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『第5回小県蚕業学校事蹟報告』(表紙)明治30年10月 郡立小県蚕業学校編纂 発行兼印刷 中村活版所(長野市)
小県蚕業学校では、桑栽培や養蚕の手法を巡って、毎年多種多様な実験を行ない、養蚕技術の開発と普及に努め、その成果を『小県蚕業学校事蹟報告」として刊行した。出版は明治26年から大正6年まで、全部で25回に及んでいる。現在、第6,7,8回を除く全巻は、国会図書館の近代デジタルアーカイブからダウンロードして閲覧することができる。(写真の資料はすべて上田東高校同窓会所蔵)
『第六回小県蚕業学校事蹟報告』(上田東高等学校同窓会蔵)左から 表紙、緒言 目次
(明治31年9月 編纂:郡立小県蚕業学校 発行者:伊藤甲造(上田町)印刷所:上田活版社)
第1回の事蹟報告は、明治26年『第一回小県蚕業学校養蚕成績』の書名で出版された。出版の日付は、明治26年2月17日、印刷所は上田町(現上田市)の中澤活版所。開校が明治25年の5月、開校初年の準備の慌しさ、またこの報告書による養蚕業への新しい知識や技術の普及について、地域の大きな期待に応えるための努力や自負について、報告書はその冒頭で簡潔に記している。
「当校の設立は当明治25年3月、小県通常郡会の議決に依るものにして、その設立決定の日より春蚕発生の時期に至るの間、僅々四十余日の余裕あるに過ぎざりしを以て非常にその経営を急ぎ、蚕室の営繕、諸器具の整備及び実習に関する調査等悉くこの短時日の内に整頓せざるを得ず、準備の至難以て知るべきなり。故に之を在来常備せるものに比すれば或は不備の点なきを免れざりしも、実施上大なる支障を感ずるに至らず、好良なる結果を表したるは至幸とする所なり。
・・・養蚕の術は、地方限定の研究に属すと雖も・・・・、各国各地の実際を調査し又自ら各地の講究に従事したるものにあらざる以上は、軽々しく養蚕法を他人に伝え、その方法に則らしめんとするは蓋し危険の事たるを免れざるべし。故に当校は、小県郡に於ける在来の養蚕法を基礎とし聊か改良を加え実施の目的を定めたり・・・・」(原文のカタカナを、ひらかな表記に改めた)
第1回の『報告』は、本文71ページであったが、内容は質量ともに次第に充実していった。(第1-3回小県蚕業学校事蹟報告目次参照)。また、巻末の「学校録事」から、各年度の職員や卒業生、教育課程、学校規則などについても知ることができる。
【小県蚕業学校事蹟報告】各年度版のダウンロード
第6回及び第8回の事蹟報告は上田東高校同窓会所蔵、こちらからダウンロード⇒。
第6回小県蚕業学校事蹟報告 第8回小県蚕業学校事蹟報告
(国立国会図書館の近代デジタルライブラリーはこちら⇒)【第1回ー20回】 【第21-25回】
以下は国立国会図書館の近代デジタルライブラリー所蔵のpdfファイルを一括でダウンロードできるように、各回ごとに一つのファイルにまとめたもの。
小県蚕業学校事蹟報告第1回 | ![]() ![]() | ![]() |
小県蚕業学校事蹟報告第2回 | ![]() ![]() | ![]() |
小県蚕業学校事蹟報告第3回 | ![]() ![]() | ![]() |
小県蚕業学校事蹟報告第4回 | ![]() ![]() | ![]() |
小県蚕業学校事蹟報告第5回 | ![]() ![]() | ![]() |
小県蚕業学校事蹟報告第6回 | ![]() ![]() | |
小県蚕業学校事蹟報告第8回 | ![]() ![]() | |
小県蚕業学校事蹟報告第9回 | ![]() ![]() | ![]() |
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